大野ひろみのクラクラさくら

議会はなんでもありのワンダーランド。あきれたり、怒ったり、笑ったり、クラクラしながら言いたいことは言わせてもらいます!

方医研が繰り広げるちょっと困った原発講演会

8月19日のちょっと困った原発学習会の報告です。

市川市が「放射線が人体に及ぼす影響」というタイトルで市民講座を開くというので、むむ、どうせ市民向けの「安全神話」を垂れ流すのだろうと心配になった。

講師は放射線医学総合研究所、いわゆる「方医研」の気鋭の若手センセーだとか。
これは方医研のスタンスを知る絶好のチャンス。
期待半分、不安半分、政策室スタッフと一緒に市川市民会館へはせ参じた。

700人収容の会場には、200人くらいしか観客はおらず、ちょっと拍子抜け。
今、原発の学習会ならあまり苦労せずとも、すぐに満杯になる。
なのにどうして? 
行政肝いりだと、やっぱり信用できない?

で、気鋭のセンセ―が話し出したら、あんのじょう、ゆるゆるICRPのお墨付きネタのオンパレード。
例えば、100ミリシーベルトというすごい線量をあびても、ガンにかかるのはたかだか200人に一人。
言外に、「ねっ、たいしたことないでしょ」オーラがほとばしる。

ICRPに批判的で、より厳しい放射線基準を出しているECRRのことは、これっぽっちも触れない。
しかも、自然からあびる放射線のことをことさら強調し、日本では年間の平均が1.3ミリシーベルトだが、世界は2.4ミリシーベルトもあるのだから… (このあと何を言いたかったか不明。たぶん、世界に比べりゃ日本はこんなものさ、福島原発で少々増えたって心配ないよ、ということ?)

さらに、高線量を被ばくする人ほどヘビースモーカーが多いという、わけのわからない説明が飛び出し、ワンダーランドは最高潮に達した。
①ヘビースモーカーだからガンになる。
②ガンになるから高線量を浴びる。
③つまり、放射線は発がんにかかわりがない?
全く難解な2次方程式である。

もうあとは「放射線による被害より、心理的ストレスによる被害のほうが大きい」という、耳タコおなじみの迷セリフもちゃんと飛び出し、極めつけは「今回の福島原発事故では、確定的影響はない。断言できる」と実にきっぱりと宣言なさった。

もう、どうしたもんか、とひやひやしたが、心配は無用だった。

質疑応答に入ったとたん、マイクを奪い合うように前のほうに陣取ったおじさんたちが発言しだした。
誰もがすでに原発関係の本を5,6冊は読んだであろう知識のかたまり。
それぞれが痛烈に、気鋭のセンセーをめった切りにした。

「200人に一人と言うけれど、日本人1億人だと何人になるのか。過小評価をするな」
「あんたはなぜICRPばかりを披露して、ECRRのことは言わないんだ」

などなど・・・

これに気鋭のセンセー、戦況不利とみたのか、あまり言い返しもせず、「私はICRPを信じていますから」などと、一気に「信じる、信じない」の世界に逃げた。

質疑応答(応酬?)が続いているなか、鳥取県米子市で開かれるシンポジウムに間に合わせるため羽田へ急がねばならず、後ろ髪を思いっきり引っ張られながら会場をあとにした。

あとで聞いたところによると、予定時間よりも早々と質疑応答が打ち切られ、学習会はお開きとなったとか。

安全神話に頼った講座を開いて市民を安心させようという行政主催の講演会が、これからもあちこちで開かれるだろうが、市民はそんなにヤワじゃない。
「安心だ、安心だ」と行政が叫べば叫ぶほど、市民は不安に陥る。
これはこれで困った現象だけれど…

なぜ、行政は都合のいい情報だけ流すのか。
都合の悪い情報も同時に流せば、より客観的になり、市民は自主判断できる。
そのほうが、よっぽど安心と信頼感を生むのに。

もっとも、「市民を安心させたい」という市の思いとは、翻訳すれば「うるさい市民を静かにさせたい」ということなんだけどね。

  1. 2011/08/21(日) 21:33:28|
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