大野ひろみのクラクラさくら

議会はなんでもありのワンダーランド。あきれたり、怒ったり、笑ったり、クラクラしながら言いたいことは言わせてもらいます!

宮城県の視察:大震災の深い爪痕を見た

総務常任委員会の視察で、25~26日、宮城県の蔵王町と名取市に行った。

【1日目: 蔵王町~ 1年中議会?】
蔵王町は議会改革の一環として、3年前から「通年議会制」を導入している。

議会は佐倉市も含め、ほとんどの自治体で年に4回開かれる。
大体、2月、6月、9月(佐倉は8月)、12月(佐倉は11月)。

これに対し、「通年議会」とは会期が1年の議会のこと。
つまり1年間で1回の議会となる。
つまるところ、年中議会。ずーっと議会。

これって、議員も大変だけれど、執行部もものすごい大変じゃないだろうか、
などなど、頭の中をクエスチョンだらけにしていろいろ質問させてもらった。

分かったこと。
・通年と言っても、基本は年に4回今まで通りに本議会をやる。
 議会と議会の間に、今までは「閉会中の継続審査」に関してしか開けなかった
 常任委員会がいつでも開ける。
・緊急の議案などに関しては、いつでも議会を招集できるので、
 市長の「専決処分」がなくなる。
・会計年度(4月~翌年3月)と議会の会期(1月~12月)がずれることの
 デメリットが今後表面化するかもしれない。

メリット
・常に議会中という緊張感が議員にもたらされる。
・市民に議員の姿を見せる機会が増えることで、よりオープンな議会になる。
・災害など非常事態でも、常任委員会を開いてすぐに具体的対応策を出せる。

このほか蔵王町議会で「いいな」と思ったのは、
①議員の研修や学習会の充実。
・請願や陳情は、提出する市民が本会議の壇上に立って主旨説明ができる。
 常任委員会で、傍聴者の意見も求めることができる。

【2日目: 名取市~ 最先端の技術より昔ながらのカネや太鼓】
3.11のとき、黒い津波がまっ平らな平野に建つ家を飲み込むすさまじい様子が、
上空から中継放映されたのが、名取市である。

視察の前に、あの凄まじい映像の現場に行った。

道路の脇に、今も船が残されている。(車窓から撮ったので不鮮明)
naroti3boat.jpg

小高い丘があり、てっぺんには慰霊碑が立っている。
思わず手を合わせ、犠牲者のご冥福を祈った。
ここから悲惨な状況が一望できる。
natori4hill.jpg


津波に襲われた地区は、名取市内でも一番の住宅密集地だった。
それが津波に流され、多くの命が奪われた。
今はがれきも撤去され、このような一面何もない風景が広がる…
natoricity.jpg

残された住宅も住める状態ではない。
画面真ん中に、赤い車がひっくり返ったまま残されている。
natori2.jpg

あまりに無残な町の様子に強い衝撃を受け、言葉にならない。
実に1000人もの命が奪われたのだ。
全員無言のまま、視察のため名取市役所に向かう。

その名取市は、市のホームページに市民からの情報も自由にアップできる
「双方向型情報提供システム」と、災害時用のFM放送を今年から始めた。
佐倉市議会では、3.11のとき、防災無線が聞こえにくいという市民からの
苦情が多々あったので、FMラジオ放送など新しい対応策を模索している最中だ。
さて、名取市の現状はーーー

担当の課長が実に分かりやすく説明をしてくださった。
結論からいうと、地震と津波で電気が切れ、何もかも破壊される状況では、
防災無線も何の役にも立たなかった。
むしろ、昔ながらの半鐘を打ち鳴らしたり、サイレンを流したりするなど、
言葉よりも「音」で知らせるほうが効果的。
双方向型情報提供システムも、担当する職員が、3.11以降は被災者救援や
復興事業に忙殺され、半ば頓挫している状況。

国の交付金を受け、4000万円以上もかけた事業であったが、
「何の役にも立たない事業であり、税金の無駄遣いではないか」と
議会でも追及されていると、課長さん、苦しい胸の内を打ち明けて下さった。

そして、声を振り絞るように何度もこうおっしゃった。
「最新技術に頼るのではなく、いろんな選択肢を増やすことが大事。
新しい技術ほど災害時にはもろい。
電気が切れたらおしまいだ。
鐘やサイレンといったアナログのほうが役に立つ。
しかし、それ以上に大切なのは、日ごろの訓練。
お祭りやいろんなイベントのときに、ついでに小さな避難訓練を
繰り返しておけば、住民同士のコミュニケーションにもなり、
誰が災害弱者かということも把握できるし、いざというときに即座に対応できる。
今回の大災害をいかに後世に伝えていくかも重要だ。
絶対風化させてはならない」

まだまだ被災者対策に忙しい中、ていねいに説明をしてくださった
蔵王町と名取市のみなさん、本当にありがとうございました。
二日間とも、予定の時間を大幅に過ぎての熱心な質疑が続いた。
本当に充実した、そして得るところの多い視察だった。



  1. 2011/10/27(木) 02:32:11|
  2. 未分類|
  3. トラックバック:(-)|
  4. コメント:(-)
| ホーム |