貧困ビジネスってご存知だろうか?
湯浅まことさんが命名したビジネスで、生活保護を受けている人から
お金を巻き上げる商売のことである。
ただでさえ困った状況の人の身ぐるみはいでしまうとはなんとも
ヤリキレナイ商売があったものだ。
その典型が
無料低額宿泊施設略して、無低(むてい)と呼ばれるこの宿泊所、無料などとんでもない。
低料金でもない。
一度入ったら出られないアリ地獄のような場所である。
今日、県ネットでこの貧困ビジネス、「無低」についての学習会があった。
講師は若い弁護士の常岡久寿雄さん。
生活保護を受ける人は今すごいバッシングを受けているが、
どうしようもない排除を受けて、貧困に陥る人がたくさんいるのも実情だ。
常岡さんは「5重の排除」という言葉を使った。
①教育からの排除(所得と学歴は比例する)
②企業からの排除→ 仕事につけない。
③家族からの排除→ 帰る場所がない。
④公共サービスからの排除→ 本来受けられる公的サービスを受けられない。
⑤自分からの排除→ 自分を大切にしない。
生存するために、生活保護を受けようとしても、住む家がなければ
受給できない。
そこを貧困ビジネス(無低)はつけこむ。
住むところを世話してあげるから、入居しろと勧誘する。
ひどいことには、市の生活保護の窓口で職員が無低を紹介するのである。
面倒なケアを避けるため、まるごと無低にお任せしてしまうというから
救われない!
連れていかれたさきが、1室に5人も押し込まれるタコ部屋もどき。
八千代市にある有名なNPO法人が経営する無低の見取り図をご覧いただきたい。

ちょっと不鮮明だが、ずらりと横に6室、3列に並んでいる。
その狭い1室に5人入るというから驚きだ。
一人のスペースは布団をようやく敷けるほど。

真ん中の写真に布団が写っている。
この布団は前に住んでいた住人が使っていたのを、ただ日に干しただけという。
左の写真を見れば、ベニヤ板1枚で仕切られているのが分かる。
プライバシーも何もない。
そして驚くなかれ、無低にふんだくられる料金!
住宅費4万6千円。
食品2万9千円。(朝と夜2食だけ。粗悪なメニューが多い。
ある無低ではインスタントラーメンを食べさしていた!)
光熱水費1万1千円。
お風呂は2日に1回。トイレ共同、共益費2000円。
合計8万8千円手元には3万円ちょっとしか残らない。
中には、全額無低が管理しているケースも3割ほどあるとか。
むろん、更にピンはねしているんだろう。
経営している無低の多くがNPO法人を取得している。
NPOって非営利でしょうが!!!
それで、ぼろもうけをしていいのか?!
千葉県にはこのような無低が
届け出をしている施設 49か所(ただし柏市の数字が載っていない)
届け出をしていない施設 985か所
全体で1000を超えてしまっている。
こんなに劣悪な環境で、入居者はなぜ黙っているのか?
理由①ホームレスよりはいい。
②民間のアパートには入れない。
③住む家がないと生活保護を受けられない。
常岡さんは困っている人がいたら、まずは相談してほしいという。
所属する「たすく法律事務所」のURL↓
http://www.tasuku-law.com/八千代市の無低をめぐっては、4人の入居者を原告にして
今、裁判を起こしている。
しかし、行政ぐるみでこのようなビジネスを助長しているとは、
本当に日本はひどい国になったものだ。
常岡さんのような「弱きを助ける」弁護士がもっと増えてほしい。
- 2012/09/30(日) 22:39:06|
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